心優しいジェントルマン
こんにちは。今日はジルコニアクラウンの臨床例です。
シェードテイク画像です。支台歯が暗いですねぇ。要注意です。
上の唇が少し下がっただけで、フラッシュ光の当たり具合が減少して、歯頚部の明度が低く写っています。写真は‟カメラのスペックよりも撮り方”が重要です。
撮影者は私です(笑)。
こっちが松風さんのシェードガイドで
こちらがVITAさんのシェードガイドでの分析画像です。
・・・で、製作したのが
こちらです。ジルコニアフレーム試適は省略して、色調確認試適に進みます。
やっちまった。見事な明度低下・・・。彩度も低く、オレンジ色が弱いです。
修正箇所を説明する為に患者さんに鏡を渡したところ
「おぉ~いいねぇ~。」
あれ?ホントに?ニコニコしながら鏡を見ています(笑)。
男性の患者さんの場合こういう事が良くあります。が、この色では納品出来ませんので・・・今日は試適ですからね。
「別に気にならないけどな~。」の一言でグッとハードルが下がりました。
——–修正中——–
修正が終わったら擬似支台歯模型にセットし、いろんな角度で撮影。どんな発色をするのかをチェックします。
とても有効な技工ステップです。かなりの手間と労力が必要ですが、この作業をする事で高精度な確認が出来ます。
そして、セット当日・・・。
まだ暗い?(汗)。
表面をもう少しツルッとさせたかったです。
患者さんは満足して下さいました。それが一番大事です。
側切歯は反対側に似せる事に加え、中切歯・犬歯との連続性や周辺との調和も大事なので、中切歯を製作する時とは違う面白さがあります。
製作した方は反対側よりもスペースが広くて、どうしても幅が広くて違う形になってしまうのですが、とっても優しいジェントルマンでしたので歯の形も優しい感じに製作しました。
ポーセレンルームに余裕がある症例こそ明度低下に気をつけないと・・・。
- 投稿日時 : 2018年12月11日
- カテゴリー : ジルコニアセラミック, 日々のこと, 臨床例・治療例