「何とかお願いします。ジルコニアで。」

「わかりました。頑張ります(汗)」
先端の透明感が強め、重度の変色支台歯、咬耗が激しいのでフルバッキングのフレーム。めまいがする症例。
そう言えば、シンタリング前に使用する浸透ステインに内面用のオペークホワイトなる物があったはず・・・。
CAD/CAMセンターに確認。「できますよ~。」
「マージンの先端まで、どっぷり塗りまくって下さい。」
キレイな支台歯の方もオペーク処理をお願いしました。イロイロ難しくなるので・・・。
フレームが届いた。マージンフィニッシュの最中にある事に気付く。

「浸透・・・って・・・そうだよなぁ・・・そういう事か・・・。」

しっかりとレイヤリング面のマージン付近にも浸透してました(笑)。まぁ、こんなのは対処できるから。
深刻だったのは、切縁からの美しい透明感のグラデーションが寸断されてしまった事。この画像では分かりにくいんだけど・・・。
浸透ステインはフレームの変形の要因になるので、内面どっぷりはアウトらしい。知ってたけど、試してみたのさ・・・。
で、効果ですが・・・さすがにあそこまで黒いと全く歯が立ちませんね。私のミスで、ぱっつん2色ダサダサフレームの完成です。
さぁここで、オペークレイヤーの登場。松風さんのZR陶材はコレが良いのです。もうここからは、膨大な量のメタルセラミックをやってきたオッサンの独壇場。
レシピの組み立てに悩む事も無く、なんかいつもより良いかも(笑)サービカルトランスルーセント陶材が秀逸で、歯頚部の反射を抑えて透明感を表現してくれる。切縁付近の味付け・ラスターポーセレンの様な使い方も出来ます。
完成の写真を撮る時間がありませんでしたので残念ですが、何とかなりました。
メタルの終焉と共に置き去りにされてしまった感のあるオペーク。明度のキープ・メリハリのある彩度の調整。下地にオペークがあるから出来た事ですよねぇ。
何もメタルフリーにお付き合いして、オペークフリーにならなくても良いんだよね?なんで積極的に使わなかったんだろ?