アレが最強?
「e.maxって連結冠はダメなんでしたっけ?」
「メーカーさんのアナウンスでは禁忌症例らしいです。」
「それは強度的な問題ですか?」
「そうですね・・・プレス工程でのセラミック同士の接合部に問題が生じる可能性があるらしいです。」
「今まで作った事は?・・・(笑)」
「・・・あります(笑)」
「じゃあ自己責任というか、現場判断ですね。」
「そうですねぇ。」
「・・・お願いします(笑)」
下顎前歯ね・・・対合歯はデンチャーの人工歯だし・・・レイヤリングしたから、柔らかい築盛ポーセレンが磨滅してくれるハズ・・・たぶん。
先輩に相談・・・
「4本連結冠もやった事あるけど・・・大丈夫。割れたら先生が教えてくれる事になってるけど、報告が無いから・・まだ大丈夫なんだと思うよ。」
「4本って・・・よくプレス成功しましたね!?純正のプレス機でしたっけ?」
「違うよ。キモはスプルーイング・プレス温度・プレス圧だな。お前その3本連結冠のスプルーイングが終わったら写真を送れ!」
「危ねぇなぁ・・・もう埋没したのか?」
「ハイ(汗)あと30分でプレスです。」
「そうか・・・掘り出したらまた電話しろ。」
1時間後。。。
「どうだ?入ったか?」
「はい。大丈夫でした。」
「良かったな(笑)」
その後スプルーイングのダメ出しをして貰い・・・
「プレス圧・プレス温度ってどの位でやりました?」
「プレス機が違うから聞いたってムダだよ・・・だいたい表示と炉内温度が同じだと思うなよ。定期的にキャリブレーションしてるか?」
「いえ・・・(汗)」
「お前のそういう所がダメなんだよ(笑)」
厳しい指摘・・・だけど、なんだか嬉しい。独立してトップになるとそういう人が居ないので・・・とても貴重な時間でした。
で、最後にプレス圧・プレス温度を教えてくれて・・・プレス機構のカラクリのレクチャー。なんでそんな事まで知ってるんだろ?
リヒテンシュタインの人なのか?(笑)
イロイロ試してきたけど・・・全く違う所に着目してたような・・・
「空き缶潰しマシンでプレスしてる兄ちゃん知ってるか?」
「あぁ見た事あります(笑)」
「どう思う?」
「カッコ悪くて、見てると吐き気がしますけど・・・」
「お前のそういう所がダメなんだよ(笑)アレが最強だな・・・」
「えっ!?」
「お前のプレス機はアレに近い事が出来るだろう?」
「エステマットは名機だよ。考えて使いこなせ。」
プレス工程中の微妙な温度調整とプレス圧のコントロール・・・
出来るな。確かに・・・(笑)。