「良いシェード写真」ってなかなか難しいです・・・自分でシェードテイクに行って撮影出来ればいいんですが、技工室から離れている時間は生産がストップしてしまうので、そう簡単にはいきません。ですので、歯科医師・スタッフの皆さんに撮影の事を分かってもらうのは、とっても重要なんです。
お陰様で最近は多くの先生方から質問・相談をいただきます。シェードテイクに行けなくても、使うカメラが違っても、試適・修正を繰り返す事無く、患者さんの満足いくモノをお届けする。のが目標です。
ちょっと面白い取り組みをしてまして・・・画像合成試適は色被りと露出の問題をクリア出来たら、カメラが違っても、誰が撮影しても良いのでは?という事で、歯科医院さんからこういう写真を撮ってもらいます。プレスセラミックです。

従来のシェード写真もね。

撮影は先生。Nikonのフルサイズ機です。RAWデータを送ってもらいます。
JPEG撮って出しは使用機材の違いによる影響がモロに出るのでダメ。
NikonのRAW現像ソフトで撮影時のセッティングを調べて、なんやかんやします。
後は、いつものようにセラミッククラウンを製作して、画像合成・確認をします。歯冠中央部の細い白帯の表現が難しい。何回かに分けてステイニング・焼成。
しかし・・・焼成回数がふえると・・どんどん・・・明度が下がって・・・(泣)

ここで時間切れ。これは私のCANONのAPS-C機で撮影した画像。

「セット出来るように、研磨もして納品しますが・・・色調確認試適のつもりでお願いしますね。」という弱気な言葉。このブログを隅々までチェックしている先生でしたので、本当に助かります。ありがとうございます。
この時点で全体の明度低下・歯頚部の彩度の高さ・先端のオレンジ色の発色の弱さが確認できます。
実際に口腔内にセットしてみて、同じ部位に同程度の色の差があれば・・・。良しです。患者さんには申し訳ないけど・・・。


どう?同じ部位が同じ位ズレてる気がしない? 色をハズして喜ぶのもおかしいけど(笑)。つまり、ラボで気がついていた所を直して、まずまずのモノを納品出来ていたら・・・って事でしょ?
カメラが違うって事は、フラッシュの色温度もフラッシュの位置も光量も光の入射角も焦点距離・ワーキングディスタンスも、おまけにセンサーサイズも違うのよ!
興奮してきた!!(笑)
もっと、とんでもなくズレると思ってたから・・・全く違うカメラでも、画像合成試適が使えたら最高でしょ?
まぁ今回が、ただのマグレって事もあり得るんだけど・・・技工所勤務の技工士にとってはシェードテイクに出掛けるのは、物凄い負担だからねぇ。何とかこの方法で上手くやれたらなぁ。
修正が終わって、上手くいきましたら報告しますね。
しかし、Nikonの画像は素晴らしい。D810だっけかな?先生の腕もいいよね。